ゴージャス" ジノ・ヘルナンデス
Gorgeous" Gino Hernandez
1957/8/14 - 1986/1/30
チャールズ・ウォルフ(Charles
Wolfe、アメリカ合衆国のプロレスラー。テキサス州ハイランドパーク出身。1973年に日本で客死したプロレスラー、ルイス・ヘルナンデスは継父にあたる。
地元のテキサスを主戦場に、サンアントニオとダラスの2大プロモーションを股にかけて活躍。プロレス界でも屈指のハンサム・ガイでありながら、持ち前の向こうっ気の強さを活かし、不良系のヒールとして名を馳せた。イタリア系とヒスパニック系のハーフであり、ハンサム・ハーフ・ブリード(The
Handsome Half-Breed)の異名を持つ。そのキャラクターは、弟弟子ショーン・マイケルズのハートブレイク・キッドにも通底している。
来歴
亡父ルイス・ヘルナンデスの従兄弟でもあるメキシコ系アメリカ人のスター、ホセ・ロザリオのトレーニングを受け、サンアントニオのSCW(Southwest
Championship Wrestling)にて1975年にデビュー。その後、ベビーフェイスの新鋭としてザ・シークが牛耳るデトロイト地区で修業を積み、1977年1月にはブルドッグ・ドン・ケントを破りNWA
USヘビー級王座を獲得した。
同年の下期よりテキサスに戻り、フリッツ・フォン・エリックが主宰するダラスのNWAビッグ・タイム・レスリング(後のWCCW)を主戦場とする。翌1978年3月、全日本プロレス『エキサイト・シリーズ』に初来日。同シリーズ後半戦にはリック・フレアーが特別参加しており、後のキャラクター形成に大きな影響を受けることとなる。以降は"ゴージャス・ジノ" を名乗り、フレアー・タイプの色悪系ヒールに転向。デビッド・フォン・エリックとNWAテキサス・ヘビー級王座を巡る抗争を開始し、師匠のホセ・ロザリオとも遺恨試合を展開した。また、タッグ戦線ではジミー・スヌーカやブルーザー・ブロディのパートナーに起用され、NWAテキサス・タッグ王座を計3回獲得している。
ダラスには1980年まで定着し、1981年からは古巣のサンアントニオSCWに復帰。2/27にはヒューストンでチャボ・ゲレロからNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を奪取している。同年8月、全日本プロレスの『スーパー・アイドル・シリーズ』に再来日。同シリーズではジプシー・ジョーの相棒となり、マスカラス兄弟(ミル・マスカラス&ドス・カラス)やリッキー・スティムボートらアイドル勢を相手にイキのいいラフファイトを披露、ヒールとしての持ち味を日本でも遺憾なく発揮し、次回の来日が期待された。
この時期、ジム・バーネットが主宰するNWAジョージア地区にも登場。ロディ・パイパーのインタビュー・コーナーに出演し、女優ファラ・フォーセットのバースデイ・パーティーに招待されたことを鼻にかけ、彼女をモノにしたと嘯くなど色悪ぶりをアピール、同地区のトップ・ベビーフェイスとして女性ファンの支持を集めていたトミー・リッチを挑発した。
本拠地のSCWではニック・ボックウィンクルのAWA世界ヘビー級王座にも挑戦。タッグでは、団体のプロモーターであるジョー・ブランチャードの息子タリー・ブランチャードとダイナミック・デュオ(The
Dynamic Duo)を結成。1981年から1983年にかけて、SCWサウスウエスト・タッグ王座を5回に渡って獲得、ワフー・マクダニエル&テリー・ファンクなどの強豪チームを相手に激闘を繰り広げた。
1984年、ブランチャードのNWAミッドアトランティック地区移籍に伴い、チームを解散して再びダラス地区に参戦。同年6/23、手本としていたリック・フレアーをトーナメントの決勝で撃破しテキサス・ヘビー級王座に返り咲く。1985年からは"ジェントルマン"
クリス・アダムスを新パートナーにダイナミック・デュオを再編。NWAアメリカン・タッグ王座を巡るフォン・エリック兄弟(ケビン&ケリー・フォン・エリック)との抗争劇は、同地区のドル箱カードとなった。
1986年、当時ダラス地区と提携を結んでいた新日本プロレスへの来日が決定。アダムスとのコンビで2月28日開幕のシリーズへの参加が発表されたが、来日を目前に控えた2月4日、ハイランドパークの自宅で死亡しているところを発見される。検死の結果、死亡日は1/30、死因はコカインの過剰摂取と判明した。28歳没。あまりにも突然の死のため自殺説や他殺説も囁かれたが、いずれも推測の域を出ていない。
獲得タイトル
SCW(サンアントニオ地区)
- SCWサウスウエスト・タッグ王座:5回(w / タリー・ブランチャード)
- SCW世界タッグ王座:2回(w / タリー・ブランチャード)
WCCW(ダラス地区)
- NWAアメリカン・ヘビー級王座:3回
- NWAアメリカン・タッグ王座:5回(w / エル・グラン・マルクス×2、ゲーリー・ヤング、クリス・アダムス×2)
- NWAテキサス・ブラスナックル王座:1回
- NWAテキサス・ヘビー級王座:6回
- NWAテキサス・タッグ王座:3回(w / ジミー・スヌーカ、パク・ソン、ブルーザー・ブロディ)
- NWA世界6人タッグ王座:1回(w / クリス・アダムス&ジェイク・ロバーツ)
その他
- NWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座:1回
- NWA USヘビー級王座(デトロイト版):1回
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