レイ・スティーブンス
Ray "The Crippler" Stevens
1935/9/5 - 1996/5/3
アメリカ合衆国のプロレスラー。ウェストバージニア州ポイント・プレザント出身。本名はカール・レイモンド・スティーブンス(Carl
Raymond Stevens)。
現役選手時代は"Blond Bomber"の異名を持つ金髪のヒールとして活躍した。小柄ながら、気風のいいファイトスタイルとケレン味のある試合巧者ぶりで一時代を築き、スーパースター・ビリー・グラハムやリック・フレアーをはじめ彼から影響を受けた選手は数多い。
※日本では「レイ・スチーブンス」と表記されていたが、本項では原音に近い表記に準ずる。
来歴
当時売り出し中だったバディ・ロジャースに憧れて1950年に15歳でプロレスラーとしてデビュー。ドン・ファーゴやロイ・シャイアーのパートナーとしてキャリアを積み、シャイアーとのタッグでは彼の弟と称してレイ・シャイアー(Ray
Shire)を名乗った。その後、リングネームをレイ・スティーブンスに戻してサンフランシスコ地区を主戦場とし、1960年に同地区認定の初代USヘビー級チャンピオンとなる。以降、同王座を巡ってウイルバー・スナイダー、ボボ・ブラジル、パット・オコーナー、キング・カーティス・イヤウケアら強豪と対戦。1967/7/15には同地区に遠征してきたブルーノ・サンマルチノのWWWF世界ヘビー級王座に挑戦し、カウントアウト勝ちを収めている(タイトルは移動せず)。
1968年7月、日本プロレスの『第一次サマー・シリーズ』に初来日、スカル・マーフィーとブルーノ・サンマルチノをパートナーに、ジャイアント馬場&アントニオ猪木のインターナショナル・タッグ王座に2回挑戦した。サンフランシスコでは1960年代後半よりパット・パターソンと金髪のヒール・タッグチーム「ブロンド・ボンバーズ(The
Blond Bombers)」を結成。ザ・デストロイヤー&ビリー・レッド・ライオン、ペドロ・モラレス&ペッパー・ゴメスなどと抗争する。弟分のパターソンとは後に仲間割れを起こし、USヘビー級王座を巡り対決したこともあった。
1970年代に入ると当時サンフランシスコ地区と提携していたAWAに参戦。ボビー・ヒーナンをマネージャーにニック・ボックウィンクルとタッグを組み、1972/1/20にクラッシャー・リソワスキー&レッド・バスチェンからAWA世界タッグ王座を奪取する。その後、同年12/30にバーン・ガニア&ビル・ロビンソン、1974/7/21にリソワスキー&ロビンソンに敗れタイトルを失うが、いずれも短期間で奪回。1975/8/16にディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキーに王座を明け渡すまで、AWAを代表する悪党王者チームとして活躍した(ボックウィンクルとのコンビでは1972年にフロリダ地区にも遠征し、同年7/20にヒロ・マツダ&ティム・ウッズからフロリダ・タッグ王座を奪取している)。
この間、1974年11月に国際プロレスの『ワールド・チャンピオン・シリーズ』にAWA世界タッグ王者としてボックウィンクルと共に来日。IWA世界タッグ王者チームのラッシャー木村&グレート草津とダブルタイトルマッチを行った(同シリーズにはAWA世界ヘビー級王者のバーン・ガニアも来日しており、AWAの世界王者3人が揃い踏みしたことで話題になった)。1975年下期はザ・ファンクスがプロモートするテキサスのアマリロ地区に参戦し、ボビー・ジャガーズらを破りブラスナックル王座を通算3回獲得。翌1976年1月にはアマリロとの提携ルートで全日本プロレスの『新春ジャイアント・シリーズ』前半戦に特別参加している。
その後、AWAでパット・パターソンとブロンド・ボンバーズを再結成。1978年9月23日、前王者ハイ・フライヤーズの片割れジム・ブランゼルの負傷欠場による王座剥奪に伴い、新王者チームに認定され世界タッグ王座に返り咲く。翌1979/6/6にバーン・ガニア&マッドドッグ・バションに王座を奪われてからは、ノースカロライナのNWAミッドアトランティック地区に転出。1980年から1981年にかけて、グレッグ・バレンタイン、ジミー・スヌーカ、イワン・コロフとパートナーを変えて同地区認定のNWA世界タッグ王座を3回に渡って獲得した。1982年の下期からはニューヨークのWWF(現・WWE)を約1年間サーキット。フレッド・ブラッシーとキャプテン・ルー・アルバーノの2人をマネージャーに、NWA時代のパートナーだったジミー・スヌーカと因縁の抗争を展開した。
WWFを離れてからはセミリタイアしていたが、1980年代後半に末期のAWAでカラー・コメンテーターとしてカムバック。1991年にAWAが活動を停止するとプロレス界から引退した。1996年5月3日、心臓発作のため死去。60歳没。
獲得タイトル
- NWA南部ジュニアヘビー級王座(テネシー版):3回
- USヘビー級王座(サンフランシスコ版):9回
- NWA世界タッグ王座(サンフランシスコ版):3回(w / ペッパー・ゴメス、ピーター・メイビア、ムーンドッグ・メイン)
- AWA世界タッグ王座:4回(w / ニック・ボックウィンクル×3、パット・パターソン)
- NWAフロリダ・タッグ王座:2回(w / ニック・ボックウィンクル、マイク・グラハム)
- NWAフロリダTV王座:2回
- NWAテキサス・ブラスナックル王座(アマリロ版):3回
- NWAミッドアトランティック・ヘビー級王座:1回
- NWA世界タッグ王座(ミッドアトランティック版):3回(w / グレッグ・バレンタイン、ジミー・スヌーカ、イワン・コロフ)
- IWA世界ヘビー級王座(オーストラリア版):2回
- IWA世界タッグ王座(オーストラリア版):1回(w / アート・ネルソン)
etc.
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