ブラック・タイガー(Black Tiger)
プロレスラー(覆面レスラー)である。別名「暗闇(くらやみ)の虎」と呼ばれた。2010年現在、正式にブラック・タイガーを名乗り、新日本プロレスに登場したレスラーは5人確認されている。
概要
初代タイガーマスク(佐山聡)のライバルとして新日本プロレスの興行に初登場する。タイガーマスクをそのままネガポジ反転させたような姿で、まさにプロレス的なギミックにあふれた存在である。
五代目を除く歴代の正体が外国人レスラーで、そのいずれもがプロレスラーとしては一流の実力の持ち主である。基本的にはタイガーマスク等のベビーフェイスの引き立て役とはいえ、いずれのブラック・タイガーも卓越したレスリング技術を持っている。
初代ブラック・タイガーのプロレスでの登場と連動する形で漫画版『タイガーマスク二世』でも登場し、宇宙プロレス連盟最後の刺客としてタイガーマスク二世と死闘を繰り広げた。
ちなみにブラック・タイガー(黒人の為ブラック)が初めて世に出たのは1970年代のアニメ版タイガーマスクである。ビッグタイガーやキングタイガーと共に虎の穴より送り込まれ、タイガーマスクを苦しめた。
初代
1982年4月の蔵前国技館でデビュー。その正体はイギリス中量級で最強を謳われたローラーボール・マーク・ロコ(マーク・ロッコとも)。初代タイガーマスクである佐山聡のイギリス修行時代のライバルでもあった。
得意技はツームストーン・パイルドライバー(別名「暗闇脳天落とし」)、トップロープからのダイビング・エルボー・ドロップ。 第6代WWF(現WWE)ジュニアヘビー級チャンピオンにもなっている。
無尽蔵のスタミナと巧みな試合作りで佐山タイガーを苦しめ、タイガーマスクとの試合は観客を沸かせた。アントニオ猪木もその技術を高く評価していたという。ジャーマン・スープレックス狙いでバックをとった佐山タイガーの急所を足で蹴り上げる、ロープに佐山タイガーの両腕を固定してドロップキックを浴びせる、といった定番の反則ムーブを持っていた。
ちなみに当時、帰国する際にコスチュームを東京のあるホテルのクロークに預け、来日すると引き取る事を繰り返していた。
その当時レフェリー兼外国人係だったミスター高橋によると、現在マーク・ロコはスペインのカナリア諸島に住んでいるとのこと。
- 得意技
- ツームストーン・パイルドライバー(暗闇脳天落とし)
- ダイビング・エルボー・ドロップ
二代目
1993年、3代目タイガーマスク(金本浩二)のライバルとしてデビュー。1996年には、獣神サンダー・ライガーを破りベスト・オブ・ザ・スーパージュニア初優勝。同年、ザ・スカイダイビング全試合Jrオールタイトルマッチでのメインで当時IWGPジュニア王者だったザ・グレート・サスケに挑戦。得意技はスイングDDTとBTボム。その正体は、当時WCWに所属していたエディ・ゲレロ。
初代ブラック・タイガーと違い、当初のライバルであった3代目タイガーマスクが短期間でマスクを脱いで素顔での活動を開始したため、タイガーマスクのライバルという位置づけよりも、ワイルド・ペガサスとともに強豪常連外国人選手として扱われ、エル・サムライや獣神サンダー・ライガーとともに当時の新日本プロレスジュニアヘビー級戦線のトップとして活躍。ブラック・タイガー、ライガー、サムライ、ペガサスの四人を新日本ジュニアヘビー級戦線の「四天王」「フォー・ホースメン」と呼ぶ声もあった。
さらには、タイガーマスクから素顔に戻った金本浩二や大谷晋二郎、高岩竜一の「トンガリ・コーンズ」やケンドー・カシン等の若手ジュニアヘビー級選手の壁となった。
エピソードとして、「ワールドプロレスリング」で対ライガー戦の実況中に、解説のマサ斎藤が「こういう試合はエディには、不向きですね。」とうっかり正体を喋ってしまった事があった。
- 得意技
- B.T.ボム(ブラック・タイガー・ボム)
- スイングDDT
- 垂直落下式ブレーンバスター
三代目
メキシコで活躍していた同名のレスラーが新日本プロレスのリングに上がったもので、唯一新日本プロレスの流れを汲まないブラック・タイガーである。新日本プロレス初登場はケンドー・カシンのパートナーとしてで、4代目タイガーマスクの新日本参戦よりも早く、他のブラック・タイガーがタイガーマスクのライバルを想定しているのに対し、三代目は異なっていた。正体はシルバー・キング(ドクトル・ワグナー・ジュニアの実弟)で、マスクを被る前に新日本プロレスに参戦していたこともある。
- 得意技
- 連続ムーンサルトプレス
- デスバレーボム
- B.T.ボム
四代目
2005年にデビュー。初代ブラック・タイガーであるローラーボール・マーク・ロコの弟子であるとされ、初代と同じツームストーン・パイルドライバーを得意技とした。その正体はロッキー・ロメロ。
2005年、アメリカでNWAジュニアヘビー級のタイトルを獲得、同年10月に行われた4代目タイガーマスクの持つIWGPジュニアヘビー級王座とのダブルタイトルマッチに勝利二冠王に。しかし、2/19の両国国技館でタイガーマスクにタイガー・スープレックスで敗れ無冠に。2006ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア出場。C.T.Uのメンバーとしても活動していたが2006年末に新日本プロレス・ロス道場コーチを解任され、ROHへと戦場を移し、2007年2月からのプロレスリング・ノアのシリーズにロッキー・ロメロ名義で参戦。ノア参戦中に自身が四代目ブラック・タイガーであった事を告白している。
2009年2月より再び新日本プロレスに登場し、ブラック・タイガーとして活動。2/15両国国技館大会でのIWGPジュニアヘビー級選手権の後タイガーマスクを襲撃し、同年3/14久喜大会より新日本プロレスにシリーズ復帰。同年4月5日両国国技館でタイガーマスクとのIWGPジュニアヘビー級に挑戦し、デストロイ・スープレックス・ホールドで敗れる。またこの試合はカンペオナート・コントラ・マスカラ戦であった為、試合後ブラック・タイガーはマスクを脱いで正式に正体を明かした。
- 得意技
- ツームストーン・パイルドライバー(暗闇脳天落とし)
- ブラック・タイガー・スープレックス
五代目
2009/4/5の新日本プロレス両国国技館で行われたIWGPジュニアヘビー級選手権の後、突如現れタイガーマスクを襲撃した。
同年2/15の両国国技館で襲撃したブラック・タイガーは4代目(ロッキー・ロメロ)ではなく、5代目であるとタイガーマスクはコメントしている。 大柄の体格であることや、デスバレーボムの使用、観客の反応、タイガーマスク自身のコメントなどから正体は高岩竜一(フリーランス)と推測された。
同年6/20「DOMINION 6.20」大阪府立体育会館でタイガーマスクとの“マスカラ・コントラ・マスカラ”に臨み、敗戦。マスクを剥奪され、正体が高岩竜一であることが判明した。
2010年6/17にはリアルジャパンプロレスに参戦し初代タイガーマスクと対決した
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